老人ホームや在宅介護の消臭対策

介護に適した消臭剤

 一昔前の老人ホームは入居させてもらえばそれだけでいい。入居環境がある程度酷くても仕方がないという状態でした。

 管理人も学生時代に祖母が老人ホームに入居しており、会いに行く度に嫌な臭いだな、こんな所に長い事いると気分まで落ち込んできそうだと祖母を可哀想に思った記憶があります。友人たちも同様に「お婆ちゃんが老人ホームにいるんだけど、あの臭いが嫌であまり行きたくないね。」と言っていました。

 2000年に介護保険法が施行され、民間事業者が相次いで有料老人ホームを設立し始めました。こうなってくるとサービス業的な精神も必要となってきますので、それぞれ自分の施設に入居してもらう為にサービスの向上や環境の改善等を行うようになり、臭いに関してもかなり改善されてきたように思います。

 それでも古い考えの経営者やコストをなかなかかけられない零細事業者は環境の改善を後回しにしています。昔ならそれでもよかったのでしょうが、競争が激しい今は入居者にも選ぶ選択肢が増えていますのでそのような所にわざわざ入居する必要はありません。結果、閑古鳥が鳴く状態となり閉鎖する施設も増えてきました。

 消臭対策をしっかりする事で入居者やその家族には喜んでもらえるし、施設職員の臭いに対する苦痛も軽減できます。これは老人ホーム等の施設だけではなく家で介護をされている方にも言える事です。悪臭によって介護されている側は申し訳ない気持ちになりますし、介護している側も苦痛を感じている事でしょう。

 それでは消臭対策について書いていきたいと思います。

老人臭について

 加齢臭の原因は化粧品メーカーの資生堂が科学的に解明したと言われています。男女ともに40歳を過ぎた年代から特有の体臭成分ノネナールが検出された事が発端です。

 このノネナールは不飽和アルデヒドの一種であり、油臭くて青臭いのが特徴で、若い人の体臭からはほとんど検出されないことから、加齢臭の原因であると特定されました。

 また、高齢者だけに発生するといわれている高度不飽和脂肪酸であるパルミトレイン酸が作るアルデヒドも不快臭の原因と言われています。

老人臭の対策方法

①衣服や身体を常に清潔にしておく事

 まめに入浴し身体を清潔にしておく事で体臭を抑えられるのはもちろんですが、衣服を清潔にしておく事も非常に重要です。何故なら体から分泌された臭いの元が衣服に染みついてしまうからです。

 洗濯物も時間が経てば経つほど深く染み込み臭いが取れにくくなるので、できるだけためずにまめに洗濯するだけで臭いをかなり軽減できます。

 ただ、高齢になってくると入浴も疲れますし体がなかなか思うように動かなくてしっかり洗えない事も多いでしょう。同様の理由で掃除も億劫になってきたり着替えも面倒になってくる事だと思います。

 けれども、体が思うように動かないのに「臭いから風呂に入れ」、「着替えろ」、「掃除しろ」と言われたらとても悲しい気持ちになると思います。できるだけ優しく、手伝える事は手伝ってお互いにとって良い事だとポジティブな気持ちにさせる事が大事だと思います。

②食生活を改善する事

 食べ物も加齢臭(老人臭)と関連性があります。高たんぱく食や高脂肪食が好きな人は皮脂腺中の脂肪酸が増加します。

 食事に注意して皮脂腺中の脂肪酸を増やさないようにするのと活性酸素に対する抗酸化物質を摂ることが加齢臭対策につながります。

 推奨する食べ物としてはビタミンC、Eやカロチンを多く含む野菜や果物、ゴマ(セサミン)、赤ワイン(ポリフェノール)、緑茶(カテキン)、大豆(イソフラボン)等です。

③活性酸素を減らす事

 加齢臭対策には活性酸素を減らす事も非常に効果的です。

 活性酸素を減らす為にはタバコを控える、アルコールをとり過ぎない、軽めの運動をする、ストレスをためない、紫外線をさける等が有効です。

 ここでワンポイントですが、周りの人間が臭いについて辛く当たったりする事によってストレスになり、加齢臭がより強くなる事や病気の原因にもなるので気をつけましょう。

 その他にも原因が病気という事も考えられます。最近、医学の専門の細分化が行われ、体臭を専門に治療する専門科も注目されていますので体臭が強かったり、気になったりするようであれば、専門医に診てもらうことも大切です。

消臭剤の役割

 管理人は臭い対策にとって一番重要なのは臭いの元を除去する事だと思っています。老人臭に関しても同様で上述した老人臭の対策方法をしっかり行う事が基本で消臭剤を使用する事はその補助だと考えてもらえばと思います。

 使い方としては、例えば脱いだ服に消臭剤(除菌力の高いもの)をスプレーしておいたり、常日頃なかなか洗えない枕や布団にスプレーしておき雑菌の繁殖を抑えたり、臭い成分が染み込む前に分解しておく。

 風通しが悪い等の理由で部屋に臭いがこもっている場合、布製品等に臭いが染み込む為、それらにまめにスプレーしておく。

 使用済のおむつやパッドにスプレーして臭いが出るのを防いだり、ポータブルトイレの消臭等様々です。

 介護の消臭に求められるのは即効性、雑菌を繁殖させない為の強力な除菌力、高い安全性といった所かと思います。

その他の消臭方法

 消臭剤以外の消臭方法として空気清浄機やオゾン発生器等を使用している施設や家庭も多いと思いますが管理人的に空気清浄機は範囲の狭さを除けば有りかなと思いますがオゾンに関しては安全性の面でおすすめできません。

 オゾンの消臭効果は確かに素晴らしいとは思いますが、安全性について国民生活センターに2004年から約5年間でなんと410件の相談が寄せられており、国民生活センターから消費者へのアドバイスとして「使用方法によっては危険なオゾン濃度となるものがあり、また、オゾン発生量等の表示を見ても専門知識のない消費者が安全に使用することは難しいと考えられた。このような現状のもとでは、購入等は避けた方がよい。」と書かれています。

 このように示されているにも関わらず購入する消費者、施設の方の考えが管理人にはよく分かりませんね。オゾンの生体へのダメージには個人差があり、健常な成人の許容範囲濃度でも幼児やお年寄りには危険域になっている場合もありますから。

 どうしてもオゾンを使いたいなら入居者を完全に退出させ出入りを禁止してからオゾン発生器を使用し、適切な時間稼働させた後にオゾンが確実に分解されたことを確認してから戻す必要があります(オゾン濃度計やガス検知管を使った濃度計測が望ましい)

 使用するオゾン発生器は必ず「オゾン回収機能」がついたものにしてください。原価の安い低品質の中国製オゾン発生器の多くにはこの「オゾン回収機能」がついていないので注意してください。

 「オゾン回収機能」をつけると「メンテナンスが必要」「コストがかかる」などという理由で「オゾン回収機能」は必要ないと主張する企業もありますが、人体への安全性を確実に担保することは最も重要なことであり手間や金銭などは比べるに値しません。言語道断です。私がオゾンをすすめない理由のひとつがこういう無責任な主張を平気でする業者が多いことです。

 ただ、中には良心的に「オゾンの除菌消臭力は非常に素晴らしい」この点は同意、「ただ、安全性の面で大前提として有人下で使用してはいけません」非常に同意!としっかりと良い点悪い点を説明しているメーカーもありました。デメリットも正々堂々と言えるのは素晴らしいと思います。

(オゾン関連リンク)
・オゾン発生器のネット購入は危険?アフィリサイトのステマにも要注意

・家庭用オゾン発生器の安全性|国民生活センター

・オゾン脱臭に伴う危険性について|日本獣医師会会報

・大原則!オゾンは有人空間で使用してはいけません|オゾン総合ホームページ

 空気清浄機に関しての危険性はあまり無いと思いますので(S社、P社の製品に関しては消臭効果は上記のオゾンによるものだったというニュースもありましたが)消臭効果としてはあまり期待できませんが問題ないと思います。

 それでは管理人おすすめの消臭剤ですが、ペット同様超音波加湿器を使用して部屋全体の消臭ができ、安全性も高く、消臭スピードも非常に速い次亜塩素酸系消臭剤、次亜塩素酸系とはタイプ自体が全く違いますが植物ならではの高い安全性と強力な消臭効果を持つ植物系消臭剤、ダークホースとして消臭効果は前の2タイプよりは落ちるが長期間汚染防止と消臭ができる光触媒もいいかなと思います。市販の消臭剤との違いを是非感じてみてください。

・次亜塩素酸系消臭剤

・植物系消臭剤

・光触媒系消臭剤

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