オゾン発生器のネット購入は危険?アフィリサイトのステマにも要注意

 「オゾン」は酸素原子3つ(分子式O3)からなる酸素の同素体です。

 成層圏に存在するオゾンは太陽の危険な紫外線から全ての生き物を守る正義の味方ですが、地表付近に存在するオゾンは健康に有害であり、EPA(米国環境保護庁)によって大気汚染物質に分類される非常に危険な存在です。

 しかしオゾンは有害ではあるものの強力な酸化作用をもつ事から、殺菌やウイルスの失活化・脱色などで主に業務用・産業用として適切な濃度管理をした上で利用されてきました。

 上述のとおり、オゾン発生器(オゾン生成器)は主に業務用や産業用として利用されてきた事から一般の人の多くは国民生活センターのある調査が発表されるまで存在自体を知らなかったと思います。

国民生活センターの調査「家庭用オゾン発生器の安全性」

 それは2009年の「家庭用オゾン発生器の安全性」という国民生活センターの調査結果です。

<問題提起>

 オゾンは強力な酸化力を持ち、殺菌、脱臭等の作用があるため、業務用では、浄水場をはじめ、幅広い分野で利用されているが、最近では「室内等の除菌、脱臭」「生成したオゾン水による食品の添加物や農薬の除去」等、様々な効果をうたった家庭用オゾン発生器も販売されている。
 PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)には、2004年度からの約5年間に、オゾン発生器に関する相談が410件寄せられている。このうち、「利用したら気分が悪くなった」「オゾンガスが体によくないとの情報があり不安」など、安全性に関するものが67件みられた。
 オゾンは酸化力が強いため、高濃度のオゾンに曝露されると身体への影響も大きいが、家庭用のオゾン発生器から排出されるオゾンに関する規制や基準はなく、高濃度のオゾンが大量に発生している場合には、身体への悪影響も懸念される。
 そこで、家庭用のオゾン発生器7銘柄(空気中と水中の両方で使用できるタイプ4銘柄、空気中のみで使用できるタイプ3銘柄)を対象に、使用時に周囲のオゾンが高濃度にならないか、また、使用上の注意、効果、オゾンの発生量等の表示が適切であるかも調べ、消費者に情報提供することとした。

<結果報告>

1.空気中での使用
空気中、水中の両方で使用ができる4銘柄は、排出口付近では最大2.2~10.2ppmと大変高濃度で、8.7畳相当の室内で30分間運転すると最大0.1~1.0ppmと、室内環境基準や労働環境における許容濃度の0.1ppmを超えて危険であった。
空気中のみで使用できる3銘柄のうち、1銘柄は長時間使用すると室内のオゾン濃度が0.1ppmを超える場合があるのに対し、残りの2銘柄は室内のオゾン濃度をほとんど上昇させることがなく、オゾン濃度には大きな差があった。
2.水中での使用
室内で少量の水に使用する場合、水中に通したオゾンのほとんどは溶けずにそのまま空気中に放散されるため、室内のオゾン濃度が高くなり危険であった。
浴室内で使用すると、短時間でオゾン濃度が高くなり危険であった。
3.表示
高濃度のオゾンを吸い込むような危険な使用方法の表示があった。また、2銘柄でオゾンに関する注意事項がほとんどなかった。
治療効果をうたうなど、薬事法に抵触するおそれのある表示及び広告がみられた。
オゾンの発生に関する表示は、発生量や濃度が記載され、単位が統一されていない他、表示値と実測値がかけ離れているものもあった。表示を見ても、どの程度危険なのかを知る目安にはならなかった。

消費者へのアドバイス

使用方法によっては危険なオゾン濃度となるものがあり、また、オゾン発生量等の表示を見ても専門知識のない消費者が安全に使用することは難しいと考えられた。このような現状のもとでは、購入等は避けた方がよい。

家庭用オゾン発生器の安全性(商品テスト結果)_国民生活センターから

 この調査結果に多くの人が驚き、「家庭用オゾン発生器=危険」という事が広く認知されるようになりました。

 結果、家庭用オゾン発生器を販売するサイトは減少し、ここ数年は「オゾン」という言葉を聞く事もあまりなくなっていました。

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