オゾン発生器のネット購入は危険?アフィリサイトのステマにも要注意

家庭用オゾン発生器の競争激化

 それから現在家庭用オゾン発生器は非常に競争が激しい市場になっているようです。

Amazonオゾン発生器

 メーカーや商品名は伏せますが、このように同じ形の商品が大量に販売され価格もまちまちです。

 ある企業の言い分では全て製造会社は同じでスペックも同じ、価格だけが違うという風に書いてありました。Youtubeの検証動画を見る限りでは私には中身が同じのように見えました。

ozone generator Alibaba

 全てAlibaba.comで販売しているらしく1個25米ドル(日本円で2700円くらい)で販売しているもののようです。Alibaba.comは中国BtoB最大手です。BtoB(Business to Business)とは企業間取引のこと。

 ある企業はパクリだと主張し、ある企業は同じ商品をその企業より安く売っているだけと主張しています。早く裁判でもして白黒つければいいのにと思いますがお互い行動には移していないようです。

まとめ

 話が脱線してきたのでそろそろまとめに入りたいと思います。

 私はオゾン発生器自体を否定しているわけではありません。

 日本オゾン協会所属企業の多くは家庭用ではなく業務用オゾン製品を主として目立たないところで長年衛生分野に貢献してきたことはよく知っています。

 協会所属企業以外でもオゾンの濃度コントロールは一般消費者では難しいので気軽にネット販売などをするべきでないというような企業にはもちろん賛同します。

 しかしながら、現在のように無秩序に家庭用オゾン発生器を販売するような企業が増えれば、真面目に長年オゾンと向き合ってきた企業が少しずつ積み重ねてきたオゾンへの信用信頼は2009年の時と同じように地に落ちるでしょう。

 濃度コントロールを蔑ろにし、あろうことかどれだけ高濃度のオゾンを作り出せるかの無意味な競争をし始めている業者すら存在します。高濃度のオゾンを作ることに意味はありません。目的に応じた濃度コントロールこそが重要なのです。

 あなたはオゾンが呼吸器疾患による死亡リスクと相関があり、慢性閉塞性肺疾患(COPD)や肺炎などで死亡する確率はオゾン濃度が0.01ppm上がるごとに約4%上昇するということを知っていましたか?

 カビやバクテリアの増殖をとめるのには危険レベルのオゾン濃度でなければ意味がないことを知っていましたか?

 ホルムアルデヒドを分解するという謳い文句で購入した人は0.1ppmの濃度で半減するのに4400年以上かかることを知っていましたか?

 公衆衛生基準を満たす濃度ではほこりや花粉、空気汚染物質を除去するのに有効ではないとEPA(米国環境保護庁)が結論づけていることを知っていますか?

 高濃度オゾンが合成カーペットやプラスチック製家具、ゴム製パッド、特定の染料や顔料を含む布地などの建築材料や植物に損傷を与えることを知っていますか?

 これらは全て日本よりはるかにオゾンの研究が進んでいるアメリカで発表された論文や研究結果であり、オゾンを扱う上での最も基礎的な知識のほんの一部です。オゾンの専門家からすれば小学生程度の知識といっても過言ではないでしょう。

 家庭用オゾン発生器を使っている消費者の中にはこんな事すら知らない人も数多くいるのではないでしょうか。

 オゾン発生器はオゾンの危険性を知り、使用用途・使用方法を知り、濃度コントロールを知って初めてまともに扱える製品なのです。

 露骨なアフィリエイトサイト以外でもオゾンに対する高度な専門知識もないのにおすすめ脱臭機としてオゾン発生器をすすめているまとめサイトや個人サイトも多々見受けられます。

 それらの提灯記事では一様に「使い方を間違えなければオゾンが一番おすすめ。定められている安全基準を守って正しく使えば人体に影響なし」などと書いてありますが、無知な人にオゾンをすすめるなら最低でも濃度コントロールの難しさや上記のような危険性・問題点を記載しておくべきです。

 特に臭気判定士などの肩書を持っていたり、オゾン専門家を自称するならそれくらいは最低限の義務です。多くの一般人は盲目的に専門家を信じます。専門家がすすめているから大丈夫と信じて消費者が購入し、何か問題があった時に専門家がオゾンの危険性や問題点を詳細に記載していなかったのならそれは間違いなくその専門家の責任です。肩書を利用してこのようなリスクのある商品をすすめる時は責任を持ちましょう。

 それから提灯記事の多くは「臭いの専門家→名前や企業で検索→その商品を販売しており付き合いがある」ということが多いので暇があれば調べてみてください。

 これから家庭用オゾン発生器を購入しようと考えている人はオゾンについてしっかり勉強してから検討してくださいね。

 最後に真っ当なオゾン関連企業へ提言しますが、本来業界内の企業の暴走を止めるのはその業界自身であるべきです。このままでは必ず何かしらの問題が起こります。これ以上オゾンの信頼が落ちる前に対応することをおすすめします。

参考サイト・論文(順不同)

・特定非営利活動法人日本オゾン協会

・オゾン総合ホームページ  O3web

・オゾン脱臭に伴う危険性について|日本獣医師会

・家庭用オゾン発生器の安全性(商品テスト結果)_国民生活センター

・United States Environmental Protection Agency | US EPA

・Ozone Generator Hazards – InterNACHI

・Health Effects of Ozone Pollution

・Ozone killing action against bacterial and fungal species;microbiological testing of a domestic ozone generator

・Use of Ozone Generating Devices to Improve Indoor Air Quality

・Quantification of Ozone Levels in Indoor Environments Generated by Ionization and Ozonolysis Air Purifiers

・Long-Term Ozone Exposure and Mortality

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