間違えないで!次亜塩素酸ナトリウムと次亜塩素酸水は違います

次亜塩素酸ナトリウムと次亜塩素酸水の違い

 【次亜塩素酸水】はwikipediaでは「次亜塩素酸ナトリウムやアルコールに比べて以下のような特徴がある。食品に塩素臭が残留するといった問題が起こらず、すすぎも不要なため節水と省労働が可能である。手荒れの心配もなく、安全性が高いために口から摂取したり目などに入らないように留意する必要もない。」と記載されています。

 食品云々という部分は、そもそもこの【次亜塩素酸水】は従来殺菌に用いられていた【次亜塩素酸ナトリウム】の欠点である、すすぎの不十分により塩素臭が残る点、排水処理や環境負荷、食品に有害物質のクロロホルムが生成される点等をどうにかできないかという事で開発された経緯からです。

厚生労働省資料

 ↑は厚生労働省の【次亜塩素酸水】の資料で電解水というのが【次亜塩素酸水】です。この表に書かれている事が【次亜塩素酸ナトリウム】と【次亜塩素酸水】の違いの全てです。

 少しややこしい説明になりますが、【次亜塩素酸ナトリウム】は表の右側に位置しており、主成分は緑色で囲まれている次亜塩素酸イオン(OCl-)というもので、【次亜塩素酸水】は真ん中から左側に位置しており、主成分は青色で囲まれた次亜塩素酸(HOCl)というものです。この右側、真ん中というそれぞれの位置はpHによって決まっています。

 結論をいうと【次亜塩素酸ナトリウム】と【次亜塩素酸水】の違いはpHです。タイトルには次亜塩素酸ナトリウムと次亜塩素酸水は違いますなんて書きましたが、【次亜塩素酸ナトリウム】の主成分である次亜塩素酸イオン(OCl-)と【次亜塩素酸水】の主成分である次亜塩素酸(HOCl)は元々は同じものなのです。しかしながらこれらはpHによって変化する成分でpHが高くなれば右側の次亜塩素酸イオン(OCl-)へ、pHが低くなれば左側の次亜塩素酸(HOCl)へ変化するんです。

 ↑の表の右側にも記載されているように【次亜塩素酸水】の主成分である次亜塩素酸は【次亜塩素酸ナトリウム】の主成分である次亜塩素酸イオンの約80倍の殺菌力をもつといわれています。この理由は次亜塩素酸と次亜塩素酸イオンの反応速度の違いです。

 次亜塩素酸は次亜塩素酸イオンよりはるかに反応速度が速いので高速で対象に反応して素早く分解しますが次亜塩素酸イオンは反応速度が遅いのでゆっくり反応します。例をあげると次亜塩素酸水の匂いはすぐ消えますがハイターの匂いはかなり長い時間残ります。これはハイターの主成分である次亜塩素酸イオンの分解が遅いからなのです。

次亜塩素酸水安全性食品安全委員会

 ↑は食品安全委員会の次亜塩素酸水(微酸性)資料です。①急性毒性②遺伝毒性④刺激性及び感作性ともに問題なし③の細胞毒性については高濃度においてやや細胞の増殖が阻害されたが、他の市販の消毒剤と比較して毒性が少ないと記載されています。

 この高い安全性の理由も上で説明した反応速度の速さが関連しています。主成分である次亜塩素酸が対象を素早く除菌・消臭し、素早く分解して残留しない事から高い除菌・消臭力があるにも関わらず高い安全性も確保されているのです。よく【次亜塩素酸水】の説明に一瞬で水に戻ります等と書かれている根拠はこの部分です。

 一方【次亜塩素酸ナトリウム】の主成分である次亜塩素酸イオンは反応速度が遅いため対象をゆっくり除菌・消臭してゆっくり分解するので成分がなかなか分解せずに残留してしまいます。例えば目や口に入ってしまうと成分がまだ分解していないので残留した成分が組織を傷つけてしまう為危険性が高くなります。

 最後に【次亜塩素酸水】を使用する上での注意事項ですが、上で説明したように【次亜塩素酸水】は優れた除菌・消臭力と高い安全性を持っています。ただし、現在医薬品に認定された【次亜塩素酸水】は私の知る限り存在しません。ですから例えば手洗い等人体への使用を推奨する事は認められていません(一部除く)次亜塩素酸水の商品説明で手指の消毒等を推奨しているショップには気をつけましょう(ただし、管理人個人の意見としてはノロウイルスやインフルエンザ対策にもかなり有効だと思うので自分の責任で人体にも使用している)

 最近では【次亜塩素酸水】は家庭で手軽に使える除菌・消臭剤としてかなり広まってきています。しかしながら名称が昔から存在し知名度の高い【次亜塩素酸ナトリウム】と近似している為、【次亜塩素酸ナトリウム】を【次亜塩素酸水】と同じような使い方をしていたりする危険な例が多々見受けられたのでこの記事を書くに至りました。それぞれの違いを知り、正しい使い方をしてもらえば幸いです。

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